小さな瓶に入った水色の液体を白衣を着て眼鏡をした青年(エイジ)が眺めています。
その瓶を置いてパソコンの前に移動して文字を打ち始めます。
「1997年7月27日。ついに脳内麻薬様物質分泌促進剤が完成する。痛みから人間を守る究極の鎮痛剤。
これによって、人類は真の幸福者となり、春の青空のような心で毎日を過ごせるはず。
この薬に名前を与えようと思う。名前は[MYSON]私の息子だ。」
エイジは振り返り写真立ての横に置かれた小瓶を手に取ります。
写真立てには父親の写真が入っています。
小瓶にMYSONと書かれたラベルを貼ります。
それをリュックに入れて、部屋から外へ出ます。
ヘッドホンをしたまま自転車で道を走っていきます。
病院で部屋をノックして中に入ると、白衣を着た女性(母親)が点滴の準備をしていました。
今日の実験を見学したいと言うと、例え息子でも規則だから出来ないと断られます。
電話が鳴ったので母親が電話と取り、「準備が出来ましたか、すぐ行きます」と言ってドアに向かいます。
青年に謝ると「少し休んだら帰る」と言うので、「実験がない日ならいつでも来ていい」と返しドアを開けようとして気付きます。
エイジが髪を手でかいていたからです。
そのくせを子供の頃に自慢をしたくてうずうずしている時によくしていたからです。
何か話したい事があるのではと聞いても青年が無いと言うので母親は部屋の外へ行きました。
エイジは部屋にあった点滴にMYSONを注射器を使って入れました。
エイジは部屋でカルテを見てから屋上へ行きました。
母親は何個かのベッドが並んだ部屋でベッドにいる女性達3人に「避妊こそ人類を救う唯一の善行」だと話しています。
実験に使う避妊薬は来年商品化される予定で今日は最終テストです。
ベッドに横になった女性達に点滴を始めます。
女性の1人(三上)が窓の外を見て向かいの建物の屋上からビデオカメラを向けている青年に気付きます。
部屋から出た女性達に母親が謝礼を渡して別れます。
女性達は廊下で話し合い、昼を食べなかったから食べに行く事にしました。
お店で食事をしながら、三上が初潮になってから眠らなくなったと話します。
帽子を被った女性は食べることが喜びだと言い、スーツを着た女性は飾る事が喜びだと言い笑い合います。
三上が部屋に帰り、飾ってあるサボテンに挨拶してマッサージチェアに座ります。
エイジの家ではエイジと母親が食事をしています。
脳内麻薬の分泌を増やして痛みを和らげる薬を作っていると青年が話し母親が褒めます。
父親が生きていた時に「エイジは立派な科学者になる」と言っていたと母親が話します。
エイジは部屋で写真立てに飾られた父親の写真を見てから寝転びます。
母親は部屋で父親が生きていた頃のビデオ映像を見つめながら眠りにつきます。
エイジが病院で録画した映像を再生しています。
パソコンに「四十八時間以内に薬の効果が現れるはずだから、明日から三人を観察しようと思う」と書きます。
その頃三上はサボテンに機械を取り付けゴーグルのような物を頭とサボテンに付けていました。
セーラー服姿の三上が駅を歩いていて手で汗を拭くと、手に血が付いたので驚いて自分を見回すと上半身が血だらけです。
制服のままプールに飛び込み、それをエイジがビデオカメラで撮っていました。
翌日、エイジはビデオカメラで女性達の部屋を盗撮します。
三上の後を付けていると三上を見失いエイジは焦ります。
すると、後ろから肩を叩かれ振り向くと三上がいました。
問い詰められたので昨日の実験の責任者の一人息子だと自己紹介をします。
ここでさよならしたいと三上が立ち去ろうとすると、エイジがビデオカメラを向けながら「三上を嫌いだから三上にも嫌いになって欲しい」と話します。
笑いあい打ち解けた2人は三上が嫌いな場所として植物園に行きます。
そこで三上は不眠症な事や「植物が話しているのが分かってうるさいから生き物が嫌い。だけど、一番嫌いなのは自分だ」と話します。
そして、今度は好きな場所に案内すると言います。
黄色いレオタードを着た女性(スーツの女性)が鏡の前で座っています。
脇の下を見て剃り残していた毛を抜きます。
台所でエプロンをして歌いながら女性(帽子の女性)はイカを切っています。
指を切ってしまったので口に加えて舐めます。
三上はエイジを家に招き疑似睡眠装置を見せました。
ゴーグルをして横になるとリラックス出来て、上手くすると夢のようなものが見れます。
サボテンにゴーグルをしているのはサボテンと一体化したように思えるからで、「サボテンはしゃべらないから好き。サボテンは多分眠っているんだと思う。その夢を共有させてもらうの」と語ります。
エイジに装置を使うように促し、最初は何も見えなかったエイジも夢を見ます。
海に浮かんだボートに三上とエイジが乗っていて関係を持つ夢です。
現実のエイジに三上はキスをします。
エイジがゴーグルを取って起き上がりました。
黄色いレオタードの女性は鏡を見ながら自分の耳たぶにまち針を貫通させます。
エプロンの女性は天ぷらを揚げています。
ふと天ぷら粉だあらけになっている手を見て、その手を油の中に入れます。
揚がった手を快感にあえぐようにしながら食べます。
エイジのいない部屋に母親が入り、MYSONを入れた小瓶を見つけました。
眺めているとエイジが帰ってきたので、これは何かと聞きますがエイジはただのビタミン剤だと答えます。
エイジと母親が一緒に食事をしています。
父親は永遠の生命を追って研究していて周りに認められずにいました。
エイジは母親が信じてあげれば父親がたった1人で死なずにすんだのにと言います。
エイジはパソコンでひたすらに「三上理香MIKAMIRIKAみかみりか」を繰り返し打っています。
母親は父親のビデオを見ながら、さっきエイジに言われた言葉を呟きます。
海をバックにして、お腹が大きくなった母親が映っています。
突然ビデオカメラが映らなくなり、2人はビデオカメラを置いて座ります。
父親が「子供の名前はエイジはどうだろう?永遠の子供って意味だ」と話し合います。
父親の肩に母親が頭をもたれかけ「幸せ。ずっとこのままだったらいいのに」と言い目をつむります。
父親が海を見て何か光ったから見てくると立ち上がり、母親は何もないと止めますが聞き入れません。
母親はお腹を撫でて「エイジか」と嬉しそうです。
父親はどんどん海の中へと歩いて遠ざかり、そのまま見えなくなってしまいました。
エイジは暗い部屋で横になり、隣にあるテレビは砂嵐を映すだけです。
翌日、エイジは離れた場所から三上がアパートから出てくるのをビデオカメラで撮っていました。
レオタードの女性はいろんな場所にピアスを付けて全身血まみれになりながらもまだ、キリを腕に刺し穴を増やしていました。
部屋に入ってきた三上が女性の頬を叩きました。
「傷つけば傷つくほど気持ちよくて止められない」と助けを求める女性を三上は「きっと何かの病気だから病院に行こう、、大丈夫」と抱きしめます。
エプロンをした女性は机の上に体育座りをして、自分の性器や胸をナイフとフォークで切っては食べています。
ナイフに映る自分の目を見て、フォークを目に突き刺してえぐり出し食べ始めます。
黄色いレオタードの女性は全身傷だらけにして、眉間にキリを突き刺し倒れています。
エプロンの女性が机の上で血まみれで横たわってるのを見た三上がおののきます。
道を歩く三上を撮影していたエイジは、三上が自分の方を向いたので自分の周りにある物に当たりちらし座り込みます。
部屋にいた三上は電話の音に気付き、ゴーグルを取ります。
病院では母親がエイジに「実験した女性2人が死んだ。それに薬の中に知らない物質が混じっていた」と話しています。
エイジは思い詰めた顔で母親を呼び、母親が「まさか…」と気付くと強引に母親にキスをして「さよなら」と部屋を飛び出しました。
母親に呼び出された三上はベッドに横になり脳波を調べられています。
それを見た母親はエンドルフィンが溢れ出ている事に驚きます。
その頃エイジは三上の部屋にいました。
腹を切り開かれ内蔵をむき出しにした母親は病院のベッドに横たわっています。
疑似睡眠装置にいるエイジに三上が近付きます。
「悲しいときも笑えるようにしたかったのに」と話し、エイジは自分で残りのMYSON全部を注射します。
「これで終わりだ」と言うエイジに三上は「私達の中で生き続けている」と言いゴーグルを付けます。
2人はキスをして抱き合います。
三上はレオタードの女性の眉間にキリを刺し、エプロンの女性に包丁でとどめを刺し、エイジの母親の腹を切り開いていました。
エイジはビデオカメラでそれを全部撮っていました。
カメラ越しに三上がエイジを見たので、エイジはカメラを降ろしました。
三上の部屋で三上はエイジの首にカッターナイフの刃を当て切り裂きました。
更に三上は何度もエイジを切りつけ、エイジは動かなくなりました。
病院のベッドではエイジの母親の元へ父親の姿があり、「私たちはこれから永遠に生き続ける」と語りました。
母親の切り裂かれた腹の中へ父親が頭から入り込み、内側から両手を出し腹を閉じました。
三上の部屋ではサボテンが赤い花を咲かせていました。
荒れた地に止まったキャンピングカーの上に男の子が座っています。
バイクにまたがった三上に子供がどこへ行くのかと聞きます。
「西に行く。あの辺はまだまいてないから」と言うと「気をつけてね」と男の子が言ったので「ありがとうエイジ」と返しバイクは走り去ります。
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なんで三上だけ他の女性のような効果が出なかったの?
なんで殺してたの?
なんで父親は海に入っていったの?
最後は何を蒔いてたの?
そんな疑問はいろいろありますが、悪くはなかった。
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