2016年11月23日水曜日

福満しげゆき原作「フリーキッチン」

オーブンからミートローフが取り出されます。
母親がそれを切ってお皿に盛り付けてみつおの前に置きます。
ワインをグラスについで乾杯しますが、みつおは浮かない顔です。
食べるように促されて口に入れます。
30代の男性と20代の女性の肉だとみつおは考えています。

お風呂に入ったみつおに、お皿に入れた苺を持って母親が入ってきます。
フォークでみつおに食べさせます。
最近絵を書かないのねと話しかけながら。


翌日、みつおが歩道橋を歩いていると同級生が数人いるのを見つけて引き返します。
別の道にあったペットショップの店先でニホンイシガメが売っていました。

部屋に帰ったみつおは飼っている爬虫類に餌をあげます。
壁にはみつおが描いたカメの絵が何枚も貼られています。

リビングに行くと母親がタジン鍋を持ってきました。
みつおが肉を食べて「日本人じゃない、モロッコ人だからモロッコ料理?」と考えます。


みつおは回想します。
最初の肉は父と愛人でした。
みつおが小学生の時でした。
友達とマンションのエレベーターで別れて自分の家に行きました。
ご飯はハンバーグでしたが、父親は母親に「焼けていない。祖母のご飯の方が美味しいとみつおも言っている」と文句を言いました。
父親がコンビニで何か買ってくると席を立つと、携帯が鳴ったので話しながら隣の部屋に行きました。
「このままじゃパパに嫌われちゃうね」と母親がみつおに言うと、みつおは「ちゃんと焼けてたよ」とフォローしました。


父親が同僚の愛人を家に連れて来て、料理を教えるように言いました。
何ヶ月かは母親も文句を言わずに教えてもらっていました。
しかし、ある夜みつおがリビングに行くと、血まみれの母親が包丁を持って立っていました。
近づくと足元には死んでいる父と息も絶え絶えになっている愛人がいました。
それからずっと肉料理が続き、それがただの肉じゃないと気づいたのはだいぶ経ってからでした。
母親はみつおが知らないうちに人を捕まえるようです。


ある日、母親はエレベーターで一緒になった訪問販売の女性を家に招きました。
母親が注射器を刺すと女性は倒れました。
泣いている女性を引き摺ってお風呂場に連れて行くと、母親だけ一旦他の部屋に行って道具を持って戻りました。
鈍い音がして女性の泣き声が止みました。


みつおは同級生達にお金をたかられていました。
持ってないと言うと財布を取られましたが、中にも入っていませんでした。
母親が夜中に大きい荷物を持ってよく出かけているけど何をしてるのかと問い詰められます。
お金がなかった罰だと言って、同級生にペットボトルのジュースを頭からかけられました。

同級生達がいなくなり、みつおは1人で昨日と同じペットショップで亀を見ました。
店員の女の子が出てきて話しかけてきて、ハンカチを渡してくれました。
女の子が店内で他の客と話している間にみつおは帰りました。


母親がスーパーで買物をしていると、財布が落ちていました。
近くにいた女性に聞いてみるとその人の物でした。
女性にお礼としてファミレスか家に来ないか聞かれますが断ります。


みつおはハンカチを洗って干して、ベッドに横になりました。
目をつむると子供の頃が浮かびます。
夜に台所に行って冷蔵庫を開けると切り刻まれて肉になった物が沢山入っていました。
目を覚ましたみつおが台所に行き、同じように冷蔵庫を開けました。
でも、そこには普通の物しか入っていませんでした。

リビングのソファーでは母親が寝ています。
机にはバースデーケーキの予約について書かれた紙が置かれています。



母親が働いている歯医者で患者の治療をしていると、助手の女の子が先に帰らせてほしいと言ってきました。
母親と患者だけになり、母親は注射器を手にしました。


みつおはペットショップの女の子にハンカチを返しに行きました。
話をして仲良くなりました。
家に帰ると母親が肉を叩いていました。
出来た料理を食べてもみつおは男か女かすら分かりませんでした。
みつおの反応を見た母親が話しかけたので、みつおはゴミ出しを間違えたでしょと言いました。
お風呂に入っていると母親がシチューを持ってきました。
それも食べずにいると、いじめられているのではないか聞かれました。


次の日母親がベランダで洗濯物を取り込みながら、下の道路を見ると歩いているみつおが見えました。
みつおはペットショップに行きました。
女の子が昼の休憩に行くと言うので一緒に行きました。
お弁当を少し食べないかと勧められたのでみつおも少し貰いました。


その頃、マンションのエレベーターにはいじめっ子の同級生が乗っていました。
ドアが閉まる前に母親が乗り込んで、降りていくいじめっ子を冷たい目で見送っていました。

みつおは女の子を見ながら「どんな味がするんだろう」と考えている自分に気付きます。
女の子は次に会う約束をしようとしますが、みつおは立ち去ります。
家に帰ってからも「あんな事を思うなんて」とみつおは悩みます。
晩ご飯を食べないみつおを母親が心配して熱がないかと触ろうとします。
みつおは「肉ばかりじゃなくていいんだけど…魚や卵とか」と言います。
母親に答えを流されて仕方なく目の前の肉料理を口に入れます。
しかし、入れた瞬間トイレに駆け出し吐いてしまいます。
母親が心配していますが、部屋に鍵をかけベッドに横になります。
母親はテーブルで1人何か考えています。


次の日、爬虫類カフェでみつおは女の子とデートします。
その日はみつおの誕生日でした。

その頃、母親はいじめっ子の同級生を家に引きずり込んでお風呂で解体していました。

女の子が家で晩ご飯しないかと誘ってきましたが、みつおは断って帰りました。
家のソファーでみつおは頭を抱えて横になります。
チャイムが鳴ったのでドアを開けると、男性が立っていて行方不明になった女性について聞かれました。
何かあったら管理人室に言ってくれと立ち去ろうとするので、みつおは「知っている。母親がお風呂でばらして僕も食べた。」と告白します。
しかし、本気にしてもらえませんでした。


みつおが目を覚ますと体を縛られ口枷をされていました。
目の前のお風呂には女の子といじめっ子が横たわっています。
母親が来たので声をだすと口枷を外してくれました。
「こんなのおかしい」と母親を説得しようとしますが、「好きな人の味は別格よ」と準備をすすめます。
母親がみつおに話していると、後ろにいた女の子が目を覚まし母親の頭を殴りました。
女の子に逃げるよう言っていると、母親が追ってきました。
「この子は大事だから手を出すな」と言うと、私よりも大事なのかと母親が近づいてきます。
女の子が後ろから母親を刺しました。
それでもまだ母親がみちおに近づいて行くので、女の子はもう一度刺しました。
女の子の方を母親が向いている隙にみつおも母親を刺すと、母親は倒れて動かなくなりました。
「うちの母もいつもあっちに行ってなさいって、言うんだけど実はこっそり見てたんだ。」と女の子が言います。

みつおは女の子と一緒にテーブルを囲みます。
テーブルの上には唐揚げとケーキが乗っています。
ジュースで乾杯をして、みつおと女の子が唐揚げを食べます。
2人は笑顔で唐揚げを食べます。


女の子が家へ帰ると前に母親が財布を拾ってあげた女性がいました。
もうご飯を食べてきたと言うと「脂の乗った男の生姜焼きだったのに」とぼやきます。


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福満しげゆき先生の漫画が原作と書かれていたから、福満しげゆき先生大好きなので借りました。
でも、漫画はまだ未読です。

みつおが食べた肉について年齢とか考えてるのがシュールですね。
最後は財布を拾った女性に母親が逆に狙われていたのや、女の子の家も人肉を食べていたのが分かるなど面白かったです。