2016年8月2日火曜日

突然同じ場所から出れなくなりループする「パラドクス」

エスカレーターが流れて行きます。
そこに横たわっているウエディング衣装を着たおばあさんが流れて行きます。
手には赤い手帳を持っています。

場面が変わって、リムジンの中から幸せそうな新郎新婦が出てきました。
ホテルに入りエレベーターに乗ります。

ヘッドホンをした男性の後ろ姿に場面が変わり、男性(カルロス)が部屋に入ります。
部屋にいた弟のオリバーは落ち着かない様子です。
また薬のせいかと思いどうしたのか聞くと、「しくじった。ごめん」と言います。
そこへ刑事マルコがやって来て署に連れて行こうとするので、兄弟は非常階段に逃げてマルコもそれを追います。

螺旋階段を降りているとマルコが上から銃を撃ち、カルロスの足に当たりました。
突然、外で爆発音がしました。
一瞬みんな驚きましたが、オリバーが救急車を呼べと騒ぎ脱いだ服をカルロスの傷の上に巻きました。
マルコが促してオリバーがカルロスに肩を貸しながら、3人は階段を降りました。
1階に着きマルコがドアを開けようとしましたが開きません。
ふと下を見ると壁には9階の表示が書かれています。
立ち止まって上や下を見てもどちらも階段が続くばかりです。


兄弟に動かないよう注意してから、マルコが1人で階段を降りて行きました。
1階の踊り場には飲み物とパンが買える自動販売機がありました。
1階の階段を降りると9階の兄弟がいる場所に戻ってきました。
カルロスは「打たれて幻覚が見えているんだ」と言いました。
マルコが螺旋階段の手すりの隙間から鍵を落とすと、上からその鍵が降ってきました。

カルロスは足の傷が痛むようです。
病院に連れて行きたいけど出られないし、ここでは弾を取り出す事も出来ません。
傷を洗うくらいなら出来ると、さっきの自動販売機を壊してそこから水を取ってきて洗いました。
なぜ撃ったんだとオリバーが責めると、マルコは「俺は撃ってない」と暴発だったと言います。
オリバーが怒ったので、マルコは離れて1人で座っていました。
足元に小さなトランプがあるのを見つけて、それを拾って4つにちぎって捨てました。


マルコが持っていた薬をカルロスに飲ませました。
カルロスが眠っている間、オリバーはマルコの妻子の写真を見せられました。
オリバーはカルロスが死んだら全員殺すと言いました。


オリバーは1人で持っていたリュックの中身を出して確認していきました。
小説「時は乱れて」、母親と撮った幼いころの写真、ヘッドホン、ペンなどです。


横になっていたオリバーはカルロスの様子が変なのに気付きました。
側に寄って話しかけると、カルロスも話しましたが亡くなってしまいました。
マルコは自動販売機に無くなったはずのパンが増えているのに気付きました。
全部食べたのにパンが現れたので、マルコは苛立って自動販売機に当たります。
オリバーがマルコに体当りして銃を奪って、マルコに銃を突き付けました。




また場面が変わってケージの中で回し車をするハムスターが映ります。
子供部屋で妹カミーラが義理の父親ロベルトから新しい手品を習っています。
ロベルトが部屋を出て行くとダニエルはベッドの下に置いてあった丸い缶を取り出しました。
中にあった祖母の写真を見た後、下にあった小さいトランプを取り出しました。

ダニエルはピアノを弾いていますが、みんな出かける準備をしています。
海へ行って元夫のホテルに泊まるのです。
母親サンドラが台所でサンドイッチを作っているとロベルトが来ました。
到着するまでの6時間で仲良くなってねと母親がロベルトに言います。
部屋に戻った母親がダニエルに「吸引器を忘れないように」と言います。


車で走り出しました。
ロベルトが竹のかけらを見つけて窓から捨てました。
ダニエルはハムスターをケージから出して手に持ち、カミーラはうさぎのぬいぐるみを抱いています。
ガソリンスタンドで休憩する事にしました。
カミーラはロベルトに買ってもらったジュースを飲んでいます。
カミーラはトイレに行く間預かっててとロベルトに吸引器を渡してトイレに行きました。
サンドラがカミーラと一緒に来て、「この子は喘息持ちだからレモンと砂糖はダメなの」と怒ります。
ロベルトは「これはグァバだ」と言いましたが、ジュースの成分表示を見せて「レモンも入ってる」と言います。

また車で走っていましたが、カミーラが苦しそうにしています。
車を止めて吸引器を出そうとしましたが、ロベルトが落として割ってしまいます。
ダニエルに予備を聞きますが、忘れたと言います。
サンドラが帰ろうと言い、ロベルトはあと3時間だと不満気でしたが帰る事にしました。
どこかで爆発音が聞こえました。
案内看板を通り過ぎます。


いつまで走っても着かないので、サンドラとロベルトが口喧嘩を始めました。
さっき寄ったガソリンスタンドを通り過ぎ、さっきの看板の前で車を止めました。
来た道を帰ることにしましたが、また同じ看板の前に来ました。
もう一度走っても同じ看板の前に来たので、ロベルトは車を降りて1人で道の横へ走って行きました。
サンドラは車を走らせながら、「これは夢だ」と叫び続けます。
車が止まった隙にダニエルはカミーラを抱いて外に出ました。
サンドラは気づかずに車を走らせ、同じガソリンスタンドに入りしゃがみこみました。

カミーラを横にして側でダニエルも横になっていると、ロベルトが帰って来ました。
「出られない」とダニエルに言います。



場面は変わって沢山の書類やペットボトルやパン、缶などがそれぞれ大量に積み重なっているのが映ります。
壁一面に文字が書かれ、「あれから35年」と書いている老人がいます。
老人が階段に座って手づかみでカップ麺を食べている横を、筋肉質な青年が階段を走って行きます。
老人はマルコで青年はオリバーです。
オリバーはペットボトルの水で体を洗ったり爪切りで髪や髭を切って整えたり、階段を使って筋トレしたりしています。
缶を積み上げた所に置いてあるリュックから物を取り出し、それぞれの山に分けていきます。
パンが増えたようにリュックやリュックの中身も増えていくようです。
排泄物は空のペットボトルに入れています。
骨になったカルロスは壁に張られ、骨の上には銃が貼り付けてあります。


マルコが「思い出せない事がある」と言いますが、オリバーは「また思い出せるさ」と言ってマルコを抱きかかえて寝場所に連れて行きます。
オリバーが横になっていると側で横になっているマルコが「マルコ忘れるな」と何度も繰り返しつぶやいています。


冒頭で出たエスカレーターの上に横たわっているウエディング姿の老婆がまた映しだされます。
その手にはハムスターを持っており、横を通った誰かがそれを奪って行きます。


場面が変わって、道に沢山のゴミが捨てられています。
車からボロボロの服になったロベルトが出てきて、35年後と道に書かれた所に瓶を持っていた投げつけます。 車で走り去ります。
ハムスターに餌をやっている手が映り、続いて服で作られたテントで生活している青年になったダニエルが映ります。
ダニエルはリュックを背負いヘッドホンで音楽を聞きながら、小高い丘を登り食事をしました。
リュックから出した吸引器を投げます。
投げた先には吸引器が山積みになっています。


ロベルトが車をガソリンスタンドに止めました。
隣りに座っているサンドラは爪が伸び、ボケたような表情であまり動きません。
食料を積みこむとまた走り出しました。
うさぎのぬいぐるみを見つけて車を止め、ダニエルのテントの前に置きました。
それを見つけたダニエルは、ロベルトに聞きに行きました。
「話したい事があるが思い出せない」とロベルトは言います。


マルコがオリバーを呼ぶ場面に変わり、マルコが「思い出した」と言っています。
マルコが壁に絵を描いた場所に連れて行って欲しいと言うので、オリバーが連れて行きました。
壁の絵を塗りつぶしならが「マルコはいない。35年間の空白も存在しない」と説明し始めます。
「私はダニエル。」と言い、壁に書かれた道の絵とロベルトがいる道がダブります。


ロベルトは助手席のサンドラが亡くなっているのに気付き、ダニエルと一緒に穴を掘って埋めました。
隣にはカミーラを埋めた墓があります。
突然ロベルトが頭を抱えて苦しみだしました。
苦しんでいるマルコとロベルトがダブります。

マルコとロベルトがシンクロしながら話します。
「もう死が近いから思い出した。私も警告されたが忘れていた。名前を書いておけ。忘れないように。」
ロベルトは「私はルーベン。指導員が同乗する竹で出来たいかだに友達と乗っていたが、友達が亡くなり指導員といかだの上で35年すごした。赤い車を見つけ君たちを乗せた。今思い出した。」と語ります。
「我々が無限地獄で苦しむ中、本当の自分は別の所にいるのだ。
誰かの死が引き金で起こるが、若者のほうが有意義に過ごせる。年配者は過去に囚われながら生き有意義には過ごせない。
思い出した時に後悔する。全てを思い出した私のように。」
ロベルトは服の中から赤い手帳を出し、話し終わると亡くなりました。


ダニエルが道を歩いているとパトカーを見つけました。
ロベルトにパトカーに乗らないようにと言われていたので、ドアを開けようとして思いとどまりました。
でも、テントを燃やしてハムスターのケージを持って、もう一度パトカーに戻りドアを開けました。
ハムスターのケージを落として、中に乗って走り去りました。

その頃オリバーもエスカレーターを見つけて、迷った末にドアを開けました。
中にあった制服にはカールという名札が付いていました。

ダニエルの方も車内にあったハサミで髪を切り、髭をそって制服を来ました。



ロベルト、オリバーとカルロス、マルコの半生が流れていきます。


オリバーの乗ったエレベーターに新郎新婦が乗ってきました。
どこから来たのか聞かれて「ロシア」と答えます。
目的の階に到着し、オリバーが荷物を預かります。
新郎新婦が先を歩き、オリバーは後ろでそっと透明な小箱から蜂を外に出しリュックを落とします。
リュックに気付いた新郎が「なぜ落とすんだ」と近づき、リュックに手を伸ばし蜂に刺されました。
またどこかで爆発音がしてループが始まりました。


ケージから逃げ出したハムスターが映って終わりです。



----------------------------------
最初、階段でごちゃごちゃやってた時は「これも低予算で作られた駄作かー」と思いました。
でも、35年後になって「え!?そんなにたったの?これはちょっと新しいな」となって、どんどん引き込まれました。
あと、ハムスターって寿命2,3年くらいなのになんで生きてるのかが気になりました。
ハムスターは回し車で同じ所を回ってるので、ループの象徴みたいなもんなのでしょうか?
低予算には違いないのでしょうがアイディアが面白く、何回も見たくなる良い映画でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿