2017年3月2日木曜日

大事な人を守る為に同じ時間を繰り返す「僕だけがいない街」

藤沼悟は部屋で漫画の原稿用紙を破り捨てました。
その漫画は編集部に持って行って見てもらった時に「作品からあなたの顔が見えてこない」と言われていました。
バイト先のピザ屋で宅配を頼まれ、バイト仲間の愛梨に「途中で食べちゃダメですよ」と声をかけられます。
反応はせずに店の外へ出てバイクで宅配先へ向かいます。
赤信号で交差点に止まった時に近くにあった時計を見ると12:15でした。
動き出してすぐに景色が歪み気付くとまた赤信号で止まっていた交差点にさっきと同じようにいました。
周りを見回すと近くには黄色い旗を手にして横断歩道を渡ろうとしている子供や、弁当屋で買い物をしているサラリーマン達がいます。
違和感を覚えたトラックを目で追うと、横断歩道を渡っている子供の元へ突っ込んで行きます。
またさっきの時間に戻って、今度は子供に「今日はあっちから渡って」と声をかけます。
バイクで宅配していた愛梨が悟に気付き目で追います。
子供が去ってからトラックの横に付き、窓を叩いて運転手に叫びます。
それでもトラックは止まらず電灯に突っ込み、それを避けても正面の車とぶつかってしまいます。
悟は宙に投げ出されました。

子供の時にお祭りで母親にお面を買って貰った時など昔の事が浮かんできます。
「これって走馬灯か?俺って死ぬのか?」
目を覚ますと病室に横になっていました。
側にいた愛梨が「外傷はなくすぐ退院出来るって。トラックの人運転中に心臓発作で亡くなってたんだって。
このままじゃ子供が危ないってなんで分かったの?」と声をかけてきました。
「運転席が見えたんだ」と悟が答えます。
看護師が来たので愛梨は帰ります。
帰り道で道路から車を見ながら「見えるかな?」と首をかしげます。

翌日、悟は自分のアパートの部屋に帰ってきました。
ドアを開けると母親がいて食事の用意をしていました。
部屋を見渡すと掃除されています。
母親が「当分ここに住む」と言い、2人で買い物に行きます。
悟を見つけた愛梨が走ってこっちへ向かってきています。

買い物袋をさげて母親と歩いているとまた時間が巻き戻りました。
悟はこの能力を「リバイバル」と呼んでいます。
母親に「何か変な所ないか見てくれ」と言うと、母親は車に乗ろうとする子供連れの男性を目で追いました。
しかし、男性は子供を置いて車で去って行き、時間は動き始めました。

愛梨を悟の部屋に呼び3人でカレーを食べました。
母親は悟が漫画家になる夢があると話します。
悟は愛梨が帰るのを送っていきながら、愛梨になんでバイトをしているのかを聞きます。
「夢があるからそのためにお金を貯めている」と答える愛梨に、「夢って話たら実現しなかったらどうしようって思わない?」と聞きます。
しかし、愛梨は「言葉って口に出していた方が叶う気がする」と言います。

部屋に帰ると母親に「ただのバイト仲間に余計な事話すな」と釘を刺します。
その後、昼間何か気付いたか聞くと、「今日誘拐事件が未遂で終わった」と言います。
すぐに冗談だと笑い、昔あった事件を覚えているかと聞きます。
「悟、あんたも危ないとこだったんだよ」と母親が言い、悟が子供の頃を回想します。
空き地で友達が野球をしているのを悟は少し離れた所に座って見ています。
連続誘拐殺人事件の犯人とされている白鳥潤が近づいてきて悟に話しかけます。
「勇気を持ってみんなに話しかけてみたら」と言います。
別の日、母親が悟に犯人は捕まったと話すと、「じゅんさんは犯人じゃない」と走り去ってしまいました。

母親が図書館で事件について調べています。
別の場所で悟はコンビニで事件が載った本を買いました。
母親はどこかに電話をして「18年前の事件はあなたがいう通り終わってないのかもしれない。息子が言うように犯人は別にいるのかも」と話しています。
バイトが終わって帰りしたくしている悟に、愛梨が本に気付いて「漫画の資料?」と話しかけてきます。
こちらを見ている店長に気付き挨拶して店を出ます。
部屋では母親が包丁を持った何者かに襲われていました。
悟が帰ると母親が背中に包丁を突き刺され倒れていました。
抱きかかえて呼んでも反応はなく、救急車を呼びました。
「リバイバル起きてくれ。起きろ!」と泣きながら叫びますが変化はありません。
床に落ちていた2つ折りになった小さな紙を拾っていると、窓の方で音がしました。
窓の外を見ると人影があったので、犯人だと思い走って追いかけます。
しかし、見失ってしまい通りかかった人が「何アレ?血じゃない?」と言うのを聞いて、自分の両手が血まみれなのに気付きます。
このままでは自分が犯人にされてしまうと急いでその場を離れ、物陰に隠れますが警官に見つかり走って逃げます。
ゴミ捨て場で追い詰められて警官に捕まりそうになった所でリバイバルが起きて、気付くと悟は小学生に戻っていました。
1988年、悟は小学校の教室にいました。
先生が来て席につくよう言われ、空いた席に行きますが「そこは雛月の席だ」と言われもう1つの空いた席に移動します。
席につくと隣の女の子が「雛月のこと好きなのか?変わり者同士お似合いだべさ」と言いました。
学校が終わって家に走って帰ると母親がいたので、「生きてる!」と涙を流します。
翌日、「これはリバイバルだから母親を救えるのでは?だとしたら何を探せばいい?」と考えながら悟が歩いていると雛月が前を歩いているのを見つけ「連続誘拐殺人事件で雛月が殺される前に戻ったんだ」と気付きます。
もしかしたら、雛月が殺された事件と母親が殺された事件は関係があるのではと考えます。
自分の席に座った雛月は太ももに痣があるのをスカートで隠します。
悟が友達を帰宅中に「文集の雛月のページ読んだ?意外と面白いから」と言われ、帰ってから早速文集を読んでみました。
それから母親に「お願いがあるんだけど」と言いました。

次の日悟は雛月に「友達になって欲しい」と声をかけますが、「藤沼って偽物だべ。人に好かれようと笑ってるふりしてる」と言われます。
しかし、愛梨に言われた言葉を使って雛月の心を開き、誕生日会に招待しました。
雛月が殺された日は悟の誕生日と同じ3月2日でした。
その日まで雛月を守れば母親も守れるはずと悟は考えます。
雛月の家に悟が行き、ドアを叩きますが返事はありません。
裏に回ってみると雛月がしていた手袋が焼かれ、ランドセルは投げ出され中の教科書が散乱していました。
隙間が開いていた戸を開けると中に傷だらけになってぐったりした雛月がいました。
声をかけますが「来ないで!」と怒鳴られ、悟の後ろから顔を出した母親が雛月を連れて行こうとします。
悟が「その傷はなんですか?」と母親に聞くと、父親が「答えてやんなよ」と言い雛月は「転んだの」と言いました。
悟は担任の先生に雛月が虐待されていると相談します。
これがクラスにバレると雛月がみんなから浮くかもしれないから今はまだ2人の秘密にしようと約束します。

空き地にいた雛月の手を取って、悟が樹の下に連れていきます。
クリスマスツリーみたいで綺麗だからです。
雛月は文集に「私だけがいない街」というタイトルで「遠い島に行ってみたい。そこで私は私だけがいなくなった街の事を考えると気持ちが楽になる。遠く遠くへ行きたい。」と書いていました。
本当のクリスマスになったらまた一緒にこようと悟は声をかけました。
悟の誕生会の前日、雛月の母親は「用事が出来たから雛月は明日行けない」と悟に言います。
雛月の母親が雛月に行きたいのか聞くと「行きたい」と行ったので、雛月の母親が「この色ボケが!」と手をあげようとします。
そこへ悟の母親が来て止めに入ったので雛月の母親は諦めて家へ帰りました。

誕生会の当日、悟は先生から雛月も同じ誕生日だと教えてもらっていたので、雛月のケーキとプレゼントも用意して一緒にお祝いしました。
プレゼントを開けると新しい手袋が入っていました。
悟が雛月と手を繋いで母親と一緒に雛月の家まで送っていくと、雛月は「プレゼント明日渡すね」と言って家に帰りました。

次の日、学校へ行くと雛月が来ていなかったので、悟は急いで雛月の家に行きました。
しかし、誰もいなかったので、外から様子を伺っていると母親がゴミ捨て場にゴミを出して戻っていきました。
ゴミを見に行くとゴミ袋には雛月の名前が書いた体操服などが入っていました。
「失敗したんだ」と悟が走り去っていると、警官に追われて転んだゴミ捨て場に戻っていました。
何か変わったのかと自分のアパートに行くと、パトカーが沢山来ていて「これでは犯人に間違われる」と走り去ろうとしてバイクに乗った愛梨と会いました。
愛梨は居候をしているからおばさんにバレないようにと注意しながら、自分の部屋に悟を匿ってくれました。
GPSで位置がバレるから携帯の電源を消すように言いました。
テレビをつけると悟が疑われているとニュースが流れていたのですぐに消しました。
持っていた本の連続誘拐殺人事件のページを開くと雛月が殺された日が3月3日になっており1日ずれて書かれていました。
また、犯人も潤のままでした。


ある日のバイト先で店長が西園先生と話していました。
愛梨がピザを持って帰ると、店長が家の前で待ち伏せしていたのを見つけました。
店長は悟を疑っていたので、愛梨が店長の携帯を折りました。

愛梨が悟を連れて河原へ行き悟が「なんで信じてくれるの?」と聞くと、愛梨が子供の頃に父親と一緒に買い物した時に父親が万引きを疑われた話をします。
父親が万引きをしていないと認めなかったので、仕事も辞める事になり離婚して家を出ていった話をしました。
何年もたってから母親が「どうして信じてあげれなかったのだろう」と話していて、「信じたいのは自分のため。この手で出来ることがあると信じたいんだ」と言います。
悟がお腹を鳴らしたので、愛梨は自分の携帯を悟に預けて家に食料を取りに行きました。


暗くなった河原で悟が1人で待っていると愛梨の携帯に悟の母親の名前でメールが届きます。
「どうして愛梨の携帯に母親から?」と本文を開くと、「藤沼悟です。その場を動かないで。」と書かれています。
悟が走って愛梨の家に行くと、愛梨の家は燃えていました。
自分の部屋で倒れていた愛梨を悟が担ぎ出そうとしていると、店長が来て一緒に助けてくれました。
店長に「裏口から出て行け。もう彼女を巻き込むな。手柄は俺のものだ」と言われ悟は走り去ります。
「なんで愛梨まで狙われた?なんで?」

別の日、悟は母親が亡くなった時に部屋に落ちていた紙に書かれていた電話番号に電話してみます。
電話相手の男性に会いに行くと、男性(沢田)は母親が「犯人は別にいるかも」と電話をしていた相手であり潤の冤罪を調べていると語ります。

病院では愛梨が点滴を付けて病室から廊下に出て歩いていました。
警察が「悟を指名手配にして、愛梨を重要参考人に」と話しているのに気付き物陰に隠れます。

悟は沢田に愛梨の携帯に届いたメールを見せました。
「別の場所で真犯人にあっているのかも、だから口封じの為に狙われたのでは」という話を聞き、悟が飛び出そうとしますが沢田がそれを止め代わりに行く事にしました。
沢田が病院のエレベーターで愛梨と入れ違いになりますが気付かずに行ってしまいます。
愛梨が公衆電話から悟に電話して「今から会える?もしかして真犯人にあっているかも」と呼び出します。
店で愛梨は何度か西園という人と会っており、その人ならシフトも見れるし妖しいと話します。
愛梨を追ってきた警察に囲まれ悟は手錠をかけられてパトカーに連れて行かれます。
パトカーに乗る直前また1988年の悟の誕生日の前日、雛月のアパート前に戻りました。

空き教室に友達を連れて行き、友達に雛月が虐待されているのを告白します。
友達に「実は気付いていたんだ。お前何者?変わったよな」と言われ、「正義の味方」とポーズをとります。
友達は「俺もなりたい」と笑います。
誕生会が終わり悟は母親に「大丈夫」と言って、1人で雛月を送って行きます。
「今からお前のこと誘拐するから」と悟が言い、廃車になったバスに雛月を連れていきます。
中には先に来た友達が待っていて、ストーブを付けて悟と友達は帰りました。
雛月は学校を欠席していましたが、バスで悟と友達の3人でトランプをしたり楽しく過ごしていました。
しかし、夜に何者かがバスに侵入してきました。

翌日、悟は先生に児童相談所に相談して欲しいと言ったら、実はもうしたのだと言われます。
雛月にそれを報告して「雛月が母親と暮らせなくなるかもしれない」と言うと、「それは凄く嬉しい事だよ」と雛月は言います。
雛月が悟に誕生日プレゼントを渡して、「今日泊まって欲しい。昨日の夜人が入ってきたの」と話します。
その人が置いていったリュックの中身を出してみると、犯行に使われた証拠品の数々が入っていました。
悟は「ここを出よう」と言い、雛月を家に連れていきました。
母親は家に迎え入れてカレーを振る舞ってくれました。
子供が寝た後に母親は先生に電話をして相談しました。

用意された朝ご飯を見て雛月は涙ぐみました。
雛月を家に連れて行くと雛月の母親が怒ってスコップを振り上げました。
そこへ先生が児童相談所の人と一緒に現れました。
雛月は悟に抱きつき「ありがとう」と言い、児童相談所の人に連れられて行きました。
先生が「雛月をどこに隠してたんだ?」と言い、バスの話をして先生の車に乗り込みました。
布団から目覚めた悟は自分の手を見ながら「なぜ戻らない?リバイバルは終わっていないのか?」と考えます。
そして、ニュースで連続誘拐殺人事件の被害者の女の子(仲口)の写真が出ているのを見て、「真犯人を捕まえないと終わらないんだ」と思います。

学校から帰ると母親の友達の沢田が家に来ていて、つい悟は「久しぶりです」と言ってしまいます。
雛月の件を褒められますが児童相談所は先生に相談されてすぐ動いたと言われ、先生が「児童相談所に何度も相談したけど動いてくれなかった」と言っていたのが浮かびます。
沢田に今何の事件を調べているか聞き、急いで沢田をバスに連れて行きますがリュックは無くなっていました。
悟は先生に疑いを持ちます。

学校で先生が同級生の女の子に声をかけているのを見ながら悟は沢田が言っていた事を思い出します。
「被害者には共通点があって友達が少なくて一人でいる時間が長い。だから近づきやすい。」
クラスでアイスホッケーを見に行った時に、女の子(みさと)が1人でどこかへ行くのを悟が追いかけました。
走り去っていく車には白鳥食品の文字が書かれていました。
悟が「どうして」と落胆していると先生が来たので、先生の車で着けてもらう事にしました。
先生に「雛月が狙われていたけど手を出せなくなったからみさとに変えた」と話をしながら、「先生は違うよね!?」と問い詰めます。
「凄いな。小学生でありながらこの僕の計画を先回りして潰すなんて。」と先生は言いました。
車を止めて2人で歩きながら先生は「あの車はおとりで、僕が弁当を頼んだ。」と話し悟を橋から突き落とします。

悟が目を覚ますと病室でした。
トラックに跳ねられて病室にいた時に戻ったのです。
しかし、病室にいたのは愛梨ではなく雛月でした。
「雛月、大人になれたんだな。」と呟くと馬鹿なのと笑います。
雛月は妊娠していて大きくなったお腹を撫でながら幸せそうです。
部屋に戻ると母親がいたので、悟は「ありがとう。」と言います。
河原で愛梨の事を思い出しながら自分の手のひらを見つめます。
雨が降ってきて高架下で雨宿りしに愛梨が走って来ました。
愛梨はカメラを首から下げていて、悟は愛梨の夢がカメラマンだったんだと気付きます。

別の日、小学生の時の友達に先生がどこにいるのか、先生の住んでいる所の近くで起きた事件を教えて欲しいと言います。
友達は弁護士になっており子供の時に悟と正義の味方になるって決めたからだと話します。
愛梨のバイト先ではカウンターに先生が座っています。
友達が先生が県会議員をしていて今は名前が西園に変わった事を話し、悟に事件の記事のコピーを渡しました。
事件にあった子供の特徴や殺害方法は昔と変わっていないと悟は考えます。
悟の母親といた時にリバイバルがあった場所で、西園が子供を車に連れて行く所を悟は声をかけて止めました。

どこかの屋上で悟は西園といます。
「あの子達は純粋で汚れていない。だから、汚れる前に救ってやる必要があった。そして、僕は僕の努力にあう代償を貰う。」と西園が語るのを、悟が「そんな権利ない。もう終わりにしよう。」と言います。
西園がナイフを取り出して自分の首に当てます。
悟が掴みかかって止めようとして、首を切られます。
「俺に勇気を与えてくれたのは先生だ。先生は正義じゃなきゃダメだ。」
友達が警察を連れてきて西園は捉えられました。

戦うのは辛い、誰かが何とかしてくれるのを待っている方がずっといい。でも、前に進むために戦う。いつか本物の勇気が持てるように。

悟のお墓の前に花を持った人々がいます。
雛月が「あの場所から連れ出してくれてありがとう。」と手を合わせます。
別の場所では愛梨が悟が書いた漫画の単行本を読んでいます。
単行本を閉じて愛梨は空へカメラを向けます。


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小学生の悟が橋から落とされた後に、また元に戻ったので「なんだ生きてたのかー」と思ったら結局また死ぬという…。
先生を疑っていたのならもうちょっと方法があったんじゃないか、真犯人が分かっても小学校から現在までにめちゃくちゃ殺されてるじゃんそれってどうなの?とか色々モヤモヤする。

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